2015年07月16日 - 審美歯科には欠かせない!エマージェンスプロファイルとは?


お口の見た目をきれいにしたい!入れた歯を長持ちさせたい!と審美歯科の受診を希望されている方には是非知っていて欲しい内容、
「エマージェンスプロファイル」についてです。

なかなか聞きなれない言葉で難しい内容かもしれませんが、
エマージェンスプロファイルとは、1977年にStein、桑田正博らの論文によって提唱された用語で、その後CrollやSteinらによって「天然歯もしくは歯冠修復物の歯肉溝内から遊離歯肉頂または歯頚部1/3までのエリアの形態を指す」と定義されました。
わかりやすく言うと、「歯が歯肉から立ち上がる部分の形」のことです。
正面図、側面図において1/3の長さが自然とされています。
現在では、
・サブジンジバルカントゥア(歯肉溝内から歯肉縁までの歯肉縁下部の形態)
・スープラジンジバルカントゥア(歯肉縁から歯冠の歯頚部1/3までを指す歯肉縁上部の形態)
の双方を総称した用語として用いられることがほとんどです。

適切なエマージェンスプロファイルは仮歯を調整してより良い状態になったことを確認した後、その仮歯の形に合わせて最終補綴物を作製します。
①根面に沿ってストレートに立ち上がったカントゥアは遊離歯肉のサポートができずにめくれ込みを生じる
②歯肉を圧排し、プロビジョナルレジンを添加しカントゥアを改善する
③フィニッシュラインではストレートに滑らかに移行し、遊離歯肉に向かって歯肉に豊隆を与える
④適切なカントゥアが付与されマージンプロファイルは至適となる

適切なエマージェンスプロファイルを与えることで、歯周組織の炎症や腫脹を避け、最終補綴物の歯頸線をそろえることができるので見た目をより美しくできる。また歯肉退縮を予防することができるので、寿命を長くし、美しい状態を長く維持することができます。
歯間部のエマージェンスプロファイルは、歯肉側1/3の近遠心的な形態を扱い、歯頚部側の鼓形空隙に緊密に関係する。
不適切なエマージェンスプロファイルを与えてしまうと、歯冠乳頭の炎症や腫脹、またはブラックトライアングルを生じることになる。
また、カントゥアの不足が辺縁歯肉をロール状に肥厚させ根尖側に移動させる(歯肉退縮)

このように、見た目をきれいにする被せものは、ただ被せれば良いというわけではありません。被せものの歯自体を作る歯科技工士さんの腕前はもちろん、より美しく、より寿命の長い歯を作るためには歯科医師の腕前が必要不可欠となってくるのです。


参考文献
山崎長郎著 プロビジョナルレストレーション
      審美修復治療
小濱忠一著 前歯部審美修復

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